【色々縅を巡る色々後日談その1】奈良甲冑師のまなざし

  • 2018.08.14 Tuesday
  • 14:54

 お盆、お暑うございます。皆様はどちらでお過ごしでしょうか?

 

 久々のブログ更新しかも連投にお付き合い下さいまして、ありがとうございます。

さて、先ほどご紹介しました。石上神宮様伝来甲冑「色々縅腹巻」写し

2iroiro.jpg

納品後、ちょっと面白い繋がり(勝手に繋がりと信じているだけですが)を見つけてしまったので、そのお話。

 

 実は、この甲冑に取り組むに当たり、暗に思っていたのが「奈良甲冑師の背中が見えるだろうか」でした。

本歌は室町時代に制作され、石上神宮様の社伝では足利尊氏奉納を云われております。武の神としても崇敬されていた石上神宮に奉納する相応しい甲冑です。

 決定つける論や研究が無いですが、我々としてはこれは造ったのはきっと奈良の甲冑師だと思っています。(時代背景的にも当時奈良では腹巻作りが盛んだったこともあり…まあ詳しい追求は、専門に研究されている方の見方次第ですが。)

 それを素材もかける時間も全く違うとはいえ、形をなぞらせて頂くからには、何か追体験のような手ごたえを掴みとりたいと考えていました。(結局いつもどおり慌しく駆け抜けたのが現実だったわけですが。)

 それでもお納め先にご満足頂き、ほっと安堵していた折、奈良甲冑師の存在を強烈に感じる出来事が…。

 

 話の種は本歌甲冑の作られた室町から江戸時代に下ります。

江戸時代を代表する甲冑師といえば、徳川家康の御用甲冑師として仕えた岩井与左衛門。

この方には以前から興味があり、私は度々暇を見つけては本やネット検索で調べては知的好奇心を満たしているのですが…。

 「岩井与左衛門」のワードで

画像検索をしていると、こんな写真が…

 なんか物凄い既視感…!!

どうやら、兜鉢の裏に銘が切ってあり、岩井与左衛門作とはっきりしている具足らしい。

6間草摺りの二枚胴具足だし、袖が大袖で胴の色に合わせた威し方ではあるのですが、

その色の取り合わせと特徴的な所々1間の草摺りの中での切り替え…断言してもいい、あれ↑ですよ、岩井先生!!

 

 岩井与左衛門は今の奈良県奈良市高天町(近鉄奈良駅付近)に住んでいたとされている。(宮崎隆旨先生著「奈良甲冑師の研究」より)

 奈良市高天町〜石上神宮はグーグルMAP計測で徒歩約2時間半(ちなみに車で約30分)…江戸時代なら充分に生活行動圏内である。

「神主さん、ちょっと観して欲しいんですわぁ。」「これは岩井殿、ささどうぞ。」…と顔パスで観に行く?

「岩井殿、ちょっと直して欲しいですわぁ。」「これは石上の神主さん、ほおほお見事な…室町の頃ので?」…と修理を請け負う?

ちょっと想像しただけでも、岩井与左衛門本人が石上神宮の色々縅を目にしていた可能性は高い!!そして、彼のアートワークに影響を与えるぐらい印象的だった…と考えると楽しい。

「そうかぁ…岩井与左衛門のまなざしも捉えるような、美しい甲冑を写させてもらったのかぁ❤」と、我々の自己満足心がフクフクしたのでした。

 

 で、この甲冑はどこに所蔵よ?と調べたら・・・ところはフランス、アンヴァリッド軍事博物館(前出の画像は同館のデジタルアーカイブよりお借りしました。英語で検索することも可能。)

ここに岩井与左衛門作の甲冑が4領伝わっています。

フランス王室の持ち物だったとか。

徳川将軍家から英国もしくはオランダ経由でフランス王室に贈ったのか、もっと別のルートで伝わったのか…奈良甲冑師の仕事が遠くフランスで今も輝きを放っているのは素敵なことです。

 

実はフランスのヴェルサイユ宮殿に憧れる、私女将ゆえ。

「いつかヴェルサイユに行って、そのついでにこの江戸時代の色々縅にも会いたいな❤」

と、憧れに思いを馳せてみたら…話はまだ続きました…

 

甲冑って不思議!

 

アクション用樹脂製甲冑と

殺陣用カーボン刀身の専門工房
時代物工房 一助朋月

いいねFBページ時代物工房 一助朋月
ツイッターTwitterゆえ@甲冑時代物工房「一助朋月」【公式】@yue_ICHISUKE
カメラinstagramyue_itisuke.hougetu
ユーチューブYouTube時代物工房 一助朋月

 

 

 

 

 

 

この記事のトラックバックURL
トラックバック

calendar

S M T W T F S
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30      
<< September 2018 >>

selected entries

categories

archives

recommend

【送料無料】 奈良甲冑師の研究 / 宮崎隆旨 【単行本】
【送料無料】 奈良甲冑師の研究 / 宮崎隆旨 【単行本】 (JUGEMレビュー »)
現存文化財甲冑の多くは奈良の甲冑師が作った。その姿をたどる渾身の研究

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM